cover up  「を隠蔽する」「~を覆う」という意味のcoverに「完全に、すっかり」という意味の副詞upがついたものでカバーをかけて「すっかり覆う」ということから生まれた表現でしょう。「完全に」という意味のupにはeat up (食べつくす) とかburn up (燃え尽きる) などたくさんあります。さて、「すっかり覆う」ということから、比喩的に「~を隠蔽する」の意味で使われるようになったのでしょう。Hashimoto allegedly tried to cover up the donation by not entering it on the books(橋本氏は帳簿に記載しないことで献金を隠蔽しようとしたとされる)The School wants to cover up bullying. (学校はいじめを隠したがります) どうしても、いじめはなくらなないですね。「光が、光と闇を顕す」といったのはスピノザですが、隠すというのは隠せないもの――真実、事実、あるいは真理。英語で言えばtruth――があるから、つまりスピノザのいう光があるからです。He tried to cover up the compensation for the public dinner party. (彼は夕食会費の補填を揉み消そうとした) あんなに安い料金であんなにいいホテルであんなに豪華な食事が食べられるなんて国民の誰もが信用していないのに、隠蔽をはかろうとする。まるで韓流の時代劇を見ているようです。 変わらないものを見つめるまなざしを曇らせるものは欲望だ――これもスピノザだったかな。