brotherには「兄弟」という意味の他に「仲間」といった意味があります。History and Etymologyをみてみると、Latin frater, Greek phratēr member of the same clanとありましたから、「仲間」とか「一族」といった意味がもともとの意味だったことがわかります。おそらくfraterのf音がb音に次第に変わっていったのでしょう。

ところで、ずいぶん昔に聖フランチェスコの半生を描いたBrother Sun Sister Moon という映画がありましたが、フランチェスコは太陽に向ってbrotherと呼びかけることで一神教キリスト教の枠を越えようとしたのではないか、などと思ったことがありました。ALTにこの語について話したところ、Sharing similarityと捉えればいいでしょうということでした。同じであることを共有するという意識がどうもbrotherの根っこにはありそうです。同じ親の血を共有しているのが「兄弟」であり、血が繋がっていてもいなくても、たとえばフランチェスコ修道会のように同じ考え、同じ信念、同じ思想などを共有しているのが「仲間」という風に捉えればいいのではないでしょうか。My sister supported her brothers as a piano teacher.(姉はピアノの先生をしてぼくたち兄弟を支えてくれた)