underdog 「(ゲーム・試合などで)勝ち目のうすい人」Cambridgeにはa person or group of people with less power, money, etc. than the rest of societyとあります。他の人やグループよりも力がない、権力がない、能力や才能などがいまいち、そしてお金がない。そんなニュアンスで捉えればよさそうです。その他に、in a competition, the person or team considered to be the weakest and the least likely to winという説明も載っています。いちばん弱くて勝てそうにないやつとか、弱そうなチームなどをイメージすればいいでしょう。日本語には判官贔屓という感情を表す熟語がありますが、それに近い気もします。わたしたちはときに負けっぱなしの力士とか一勝もしていない競走馬を応援したりします。日本人の意識の底には判官贔屓が根強いのかもしれません。かつてワールドカップになかなか出れないころの日本のサッカーチームはunderdogだったといっていいでしょう。Japan used to be the underdog of the World Cup. However, they have participated in it six times in a row since 1998. (日本はかつてワールドカップになかなか出場できなかった。しかし1998年以来連続して6大会出場するまでになっている)ーー思い違いがあるかもしれませんが、たぶんそうだったと思います。なぜこの語にunderを使うのかイギリス人のALTに訊ねてみました。彼の解釈では、他の人あるいはグループよりも下だからunderということでしょう、と応えたあとで、これから上がっていけるという可能性も示唆している語だと、補足していました。単なる判官贔屓とはその点で少しニュアンスがことなる気がします。義経チンギス・ハーンになったなんて幻想を抱くのではなく、まさしくかつての日本のサッカーやラグビーチームのように力をつけて上へのし上がっていける存在がunderdogということのようです。