keep in touch with ~  「~と接触を続ける」「連絡を取り続ける」同意表現にkeep in contact with~ / get in touch with~ などがあります。keep in touch withは「~と連絡を取り続ける」という意味で、継続の意味合いに重点が置かれます。別れるときにkeep in touch with me.と言うのはずっと連絡を取り合おうということです。touch= contactということ。in touchのinは動詞や名詞を強めるときのinとも考えられますが、in touch withで触れている状態みたいに捉えてもいいかもしれません。というのも、これはいわゆる動詞+名詞+前置詞の形に似てますが、厳密には動詞+前置詞+名詞+前置詞という変則的(?)なコンビネーションなのでin touch withでひとつのかたまりとして考えてもいいのかなと思うのです。withはtalk with~とかfight with(~と戦う)などのwithで「相手」を表すときに出てくるwithでしょう。Father kept in touch with us by mail and telephone while he was overseas. (父は海外にいるときには手紙や電話で接触を続けた)(センター)一方、get in touch with ~ は「~と連絡を取る」という継続よりもむしろ動作なり行動なりに重点があります。How can I get in touch with you? (どうすればあなたと連絡が取れるのですか)どういう行動をとれば連絡がとれるかというわけです。 Please get in touch with me when you come to Saitama City.(さいたま市に来ることがあれば連絡してください)

infer O from 「~を~から推論する」confer (相談する) defer (延期する) offer (提供する) prefer (好む) refer (言及する) transfer (移す)などなどferのつく語はたくさんあります。原義は「運ぶ」という意味です。この「運ぶ」という意味を持つ-ferはferyy(フェリー)から連想すれば覚えやすいかもしれません。さて、inferは「中に運ぶ」となりますが、「すでに知っている情報を元にしてそれが本当ではないかという意見を持つこと」を意味します。簡単に言えば、というか理屈を言えば、「心の中に(in)情報を運ぶ(fer)」ということです。そこから「推察する」「推論する」となるわけでしょう。 The existence of the star can be inferred from these date. (その星の存在はこれらのデータから推測される) このように普通他動詞で使われることが多いような気がします。His mother inferred from his answer that he was trying to conceal something. (母親はその返答から息子が何かを隠そうとしているのを察した)(レクシス) この文の場合、that 節以下がinferの目的語になります。ともあれ、事実とか証拠とか根拠になるものをfrom以下で示すのが普通です。ちなみに、conferは共に(com)情報を運ぶ(fer)ということから「相談する」「意見を交わす」といった意味。cf. We conferred with an adviser on the matter. (私たちはその問題について顧問と意見を交わした) deferは日程から離して(de)運ぶ(fer)ことから「延期する」となります。Cf. I will defer my departure. (私は出発を延ばします) referは「運び戻す」つまり誰かの言ったことにもどって(re)自分の意見を運ぶ(fer)、ということから「言及する」preferは「先に運ぶ」つまり好きなものは自分のところに先に運ぶわけです。No one referred to that horrible incident. (だれもその恐ろしい事件のことを口にしなかった)(レクシス) He much prefers fish to meat. (彼は肉よりも魚の方が好きだ) 物事を相手の方へ(of=to)運ぶ(fer)のがofferということで、「提供する」となります。Don't offer him a cigarette, he's trying to give up.(彼にタバコをあげるな。止めようとしてるんだから) (Cambridge) transferは向こうに(trans)運ぶ(fer)ので「移す」となります。Our head office was transferred from Osaka to Tokyo. (本社は大坂から東京へ移転しました)(レクシス)

It doesn't matter whether [if]... 「...かどうかは問題ではない」matterは「問題になるほど重要である」という意味の動詞。Black lives matter.のmatterです。matterの語根はmotherのmaで「食べ物を食べさせてくれる母親」を意味するmaだそうです。子を産む母親、つまりある結果を生む事柄ということから「重要である」といった意味に転じたのでしょう。ちなみに、食べ物をもってくる、つまり生活費をもってくるのは父親の役割です(?)(でした?)が、これはpaが語根です。子音のpがfに転じて、fatherとなったわけで, foodも同根語です。考えてみると、文化の中心はfoodなのかもしれません。それを与えない、あるいは与えることができないということは、父親失格ということでしょう。食べ物を与えることが命を与えることに直結しているわけですから。ちなみにpaはpaternal (父性の) に今も残っています。さて、It doesn't matter if~で、ある行動をとるのに二つまたはそれ以上の選択肢があるが、どちらでも気にしないという風に捉えればいいでしょう。 It doesn't matter if I miss my train. (列車に乗り遅れてもかまわない) この文の場合、列車に遅れても間に合ってもどちらでもかまわないというわけです。 同じような表現にIt makes no difference~がありますが、通例differenceは2つのことの相違をいうのでor notを伴うのが普通。AかAでないか、というわけでor notを伴うわけです。こちらは「まったく影響を及ぼさない」ことを意味します。It doesn't make any difference whether you like it or not. (きみがそれを気に入ろうが気に入るまいがそんなこと関係ない)つまり、自分にはなんの影響もない、ということ。It makes no difference to me whether she gets married or not. (彼女が結婚しようがしまいが僕には問題ではない) この文にあるように、to meを伴って個人的なことを強調する言い方が多いようです。このコロナ禍で、It makes no difference to me whether the Olympic Games will be held or not.と思っているひとも多いことでしょう。ともあれ、このようにmatterは否定文でつかわれることが多いですが、疑問文でも使われます。Why does it matter to you? (なぜあなたにとってそれは意味があるのですか)

be characteristic of ~「~に特有だ」characterは刻まれた印が原義のようです。漢字をChinese charactersというのも亀甲に刻まれた文字だったからでしょう。それはともあれ、その形容詞形のcharacteristicは他の物と区別される性質や振る舞いなどに使われると考えればいいのではないかと思います。It was characteristic of her to react like that. (そのように反応するのは彼女の特徴であった) This tree is characteristic of the tropics. (この木は熱帯地方に特有のものだ)(フェイバリット)これに対してtypicalは特徴や特色を示す一例を述べる場合に用いられることが多いようです。The chair is typical of Art Deco design. (この椅子はアールデコ様式の代表的なものだ) これらの文でも分かるように、前置詞ofはいわゆる「一体性」を表すofのような気がします。be certain ofとかbe sure ofなどと同じです。たとえば、She is sure to drive safelyと不定詞を伴うと、I am sure that she will drive safely.ということで、彼女は安全運転するから心配ないと思っているのは「私」ということになりますが、一方、She is sure of driving safelyの場合は、彼女は自分は安全運転していると確信しているわけで、そこに安全運転している自分と一体になっているのでofを伴うわけです。ところが、同じ特有のという意味を持つpeculiarの場合、他のものにはない特徴という意味合いを強く出す場合に使われる語なので前置詞はofを伴わないようです。This custom is peculiar to Japanese. (これは日本人特有の習慣です) This huge tree is peculiar to Yakushima Island. (この巨木は屋久島にしかないものです) peculiarがofではばくtoを伴なうのは、ある種の特徴がくっついているからと考えられます。つまり、前置詞toはbelong toのtoと捉えればいいでしょう。

forget about 「~について諦める」for-はforbid(禁止する)に見られるように「禁止」とか、forsake(見捨てる)などのように「諦める」とか「無視する」いった否定的な意味合いを持つ接頭辞です。それに「手に入れる」という意味のgetがついたものがforgetですから、「手放す」というのが原義と捉えてよさそうです。たとえば、記憶を「手放す」ことが「忘れる」といった具合に。そこからさらに「諦める」といった意味にも発展したのでしょう。さて、forget about はforgetの口語的表現なのだそうです。とりあえずForget about it(「もういいよ」「気にしないで」といった感じ)の方が口語的で、会話で普通使われると考えればいいようです。Forget it.というのもよく耳にしますが、かなり直截的な言い方だそうです。forget it = just ignore itのニュアンスになるようですから注意しなければならないこともあるでしょう。会話では相手がいるわけですから、直截的な言い方は好まれないのでしょう。ともあれ、後になって、時間を置いて、よく考えてというニュアンスがaboutにあるような気がします。Please forget meだと直截的に「わたしを無視して。私を忘れて」といった感じでしょう。Please forget about me.だと「私のことは忘れてください」とちょっと距離をおいた感じでしょうか。They had to forget about taking a loan. (彼らは借り入れを諦めなければならなかった) Looking to rent some office space in Tokyo? Forget about looking here. (東京でオフィススペースを借りたいとお考えですか。でしたら、ここで探すのは諦めましょう)

tend to do  「~する傾向がある」if something tends to happen, it happens often and is likely to happen again. Longmanにはこのように説明してありました。あることが頻繁に起こる.あるいはそのことが再び起こりそうだ、といった場合に使われるというわけです。All material bodies tend to fall towards the earth.(すべての物体は地面の方へ落ちてくるものだ)(慶応)ーー物理ではbodyを「物体」の意味で使います。Canadian cities tend to have separate districts for housing.(カナダの都市は住宅専用地域を別個に設ける傾向がある)(青学)このように物事が主語になる場合が多い気がしますが、Mr. Suzuki tends to talk too much when he's nervous.(鈴木さんは緊張すると、たくさん話過ぎる傾向がある) のように人も主語に来ます。 同意表現にbe inclined to doがあります。知り合いのALTによると、tend to doとほとんど違いはないようですが、be inclined to doの方が行動が控え目な場合に用いられ、フォーマルな響きをもつ言い方だとのこと。どうでしょうか。She is inclined to take things seriously. (彼女は何事も深刻に受け取る傾向がある) Japanese workers are more inclined to coordinate their actions with other workers.(日本人労働者は自分達の活動を他の労働者によりあわせようとする傾向がある)(青学)

come about  「起こる」同意語(句)にoccur / happen / arise/ take placeなどがあります。Cambridgeにはto happen, or start to happenとありました。あいかわらずおおざっぱです。aboutは「あたりに」とか「あちこちに」という場所を表す副詞。ちなみにbring aboutのaboutも同様に副詞です。このcomeとbringの動詞+副詞のコンビネーションでは、bringが他動詞なのでbring aboutは「引き起こす」という他動詞の意味のままであり、comeは自動詞なのでcome aboutは「起こる」という自動詞のままです。いずれにせよ、aboutを伴って、どこかそのあたりからやって来るというニュアンスがあり、回避できない、あるいは回避できなかった出来事などについて用いられる場合が多いようです。If anything bad should come about, let me know. (万一悪いことが起こったら、私に知らせてください)(学習院)How did it come about that he made such a careless mistake? (なぜ彼はそんなうかつな失敗をすることになったのだろう) Dispute always comes about because of some behavior problem or personality problem. (論争が起こるのは常に、振る舞いや人となりが問題となるからです) このように不注意で起きたような場合とか偶発的ではなく何かに起因して起ったといったニュアンスで使われる気がします。たとえば戦争は偶発的に起こるなどということはなく、その背景となる原因があるものです。最近高齢者による事故が多発していますが、その事故がやって来た原因がアクセルとブレーキの踏み間違いであれば、偶発的ではないですからcome aboutでしょう。How did the traffic accident come about? (どうしてこんな交通事故がおこったのか)  How did this production come about? (この作品はどのようにして生まれたのですか) The new word exergaming has come about, as video games have been advertised as a source of exercise. (エクサゲイミングという新語は、テレビゲームが運動の手段として宣伝されるようになって出現した) Too much pride brought about his downfall.(傲慢すぎたことが彼の破滅の原因となった)