season tickets 「定期券」という訳は誤解を招きそうな気がしますが、ある意味seasonという意味を的確に表しているという気もします。というのも、seasonは必ずしも、四季だけを連想させるものではないからです。たとえば、バスケットシーズンとかサッカーシーズンというと、厳密な意味で季節とは無関係です。ですからseasonは連続した期間といった意味合いで捉えた方がいいのかなと思います。因みに、Cambridgeをひくと、one of the four periods of the year; spring, summer, autumn, or winterという意味の他に、the period when most people take their holidays, spend time with their families, go to visit places, or take part in an activity outside workとあって、この語はかなり広い意味で使われていることがわかります。Regulated fares, including season tickets will go up by 6 percent in the New Year. (定期券を含む規則運賃は新年に6%値上げになる)(BBC) ここでの複数形(tickets) は一般的にいう場合の複数形です。因みに、鉄道やバスなどの「定期券」はcommuter passがもっとも無難でしょう。I’ve got a job as an attendant at the city museum during the winter holiday season. (冬休み期間中に市の博物館での案内係の仕事を得ました)

パスワードを作るというときにcreate a passwordと言います。createは「創造する」とか「創作する」といった意味ですから、えらく仰々しい言い方をするものだと思って、make じゃなくてcreateを使うのはなぜなのかALTに訊ねてみたら、makeも使うよ、と前置きしたあとで、パスワードはまったく新しいものじゃないと意味がないからcreateを使うのだ、という返事でした。そうでした、createはto make something newという意味でした。パスワードが市井にあふれている、よく目にしたり耳にするようなものじゃ、確かに、困ります。Please enter your mail address and mail address password with ii-okinawa and press the [Create Password] button. (ii-okinawaでご契約のメールアドレスとメールアドレス のパスワードを 以下 の欄に入力し 「 パスワード 発行 」ボ タンを押してください)Please create a personal password that will be required to access your membership account. (会員アカウントへアクセスする際に必要と な る 個 人 パスワードを 作成 し ます)

rack up 「大きな損失を被る」「多くの得点を獲得する」CollinsにはIf a business racks up profits, losses, or sales, it makes a lot of them.  と解説がしてありました。利益だけでなく損失についても使われるので、相反するベクトルをもつ成句です。rackを棚と考えるならば、棚の中にいろいろなものがだんだんたまっていく、といったニュアンスで捉えることもできます。けっして棚が積みあがっていくニュアンスではないそうです。プラスの意味合いであれば、トロフィとか賞品などが所せましと飾られてある棚なんかをイメージすればいいでしょう。損失を被るといったマイナスのニュアンスの場合、利益なり収益なりが減っていくわけですから、rack downではないのかとALTに訊ねたところ、そういう言い方はないそうです。利益だろうと負債だろうと積み重なっていくのがrack upとのこと。Critics say betting online encourages people to rack up massive debts. (批判者たちは、オンラインでの賭博は人々を莫大な借金を背負うはめに陥らせると言っています) このようにネガティブな意味合いで使われることが多いそうですが、前述したようにポジティブな意味でも普通に使われるようです。Exxon Mobil earned $25 billion last year, and other oil companies racked up massive earnings as well. (エクソンモービル社は昨年、250億ドルの収益を上げ、他の石油会社も同様に莫大な利益を得ました) 収益にしても損失にしても価値としては同等という考え方があるのかもしれません。

sanction 「権威筋からの許可」「制裁処置」Cambridgeにはan official order, such as the stopping of trade, that is taken against a country in order to make it obey international law、つまり貿易に関する制裁、いわゆる経済制裁という感じです。もう一つが、approval or permission, especially formal or legalつまり「正式な、公の許可」と言った感じ。このようにsanctionは相反するような意味をもっていてちょっと分かりづらい語の一つです。手がかりはformalやofficialという点でしょう。語源はsanctuary (聖域)などに出てくるsanctだそうで、「清める」という意味。清めることによって聖なるもの、つまりformalあるいはofficialな法にして、その法の発令によって「許可」したり、その発令した法に基づいて「制裁」をする、という風に転じたそうです。We need the sanction of the law to hunt in this place.(この場所で狩猟をするには法律の認可が必要です) この場合、許可なく猟をした場合は制裁を加える、という意味合も含むのでしょう。The country exports diminished rapidly because of the unprecedented economic sanctions.(その国の輸出額はその前例のない経済制裁によって急速に減少した)

if you like 「お望みなら」「そう言いたければ」「言ってみれば」といった感じ。相手が満足を得られるのであればという意味合いで使われます。I can have a couple of boys stand watch if you like. (お望みなら、少年たちを二三人見張りに立たせますよ) ここでのstand watchはstand and watchと捉えればいいでしょう。Well, after the horse died, his carcass---his skin if you like --- was stuffed. (その馬が死ぬと、その亡骸は、皮と言った方がいいでしょうか、剥製にされました)  You may borrow that book, if you like. (よろしければその本を持っていってもいいですよ) この文の場合、if you like to borrow that book,と捉えばいいわけですから、代不定詞、つまりif you like toとなりそうですが、そういう風には言わないとのこと。不思議なことに、likeだけでは代不定詞にはできないそうです。つまり、if you would like toは使うそうですが、if you like toとlike単独では使わないとのこと。どうしてなのか未だにわからないままです。どなたかご存知ならご教授ください。This 120.000 is just a very small, if you like, drop in the bucket of this huge problem. (この12万人というのは、言ってみれば、この大きな問題というバケツのなかの一滴にすぎないのです) この場合、if you like to to say somethingぐらいでとらえればいいでしょう。

mumbo jumbo 「ちんぷんかんぷん」何を言っているのかわからないことに使われます。ALTに由来を尋ねてみたら、おそらくアフリカ人の話しているのを聞いて何を言っているのかわからないという意味で使われるようになったのではないかとのこと。そんな感じだろうとCambridgeを検索してみるとーーwords or activities that seem complicated or mysterious but have no real meaningとあり、You don't believe in horoscopes and all that mumbo jumbo, do you? というのが例として挙げてありました。たしかに占星術は複雑で神秘的で、何を言っているのか「ちんぷんかんぷん」なときもあるでしょうね。etymologyを調べてみると、諸説ありそうですが、どうも西アフリカの神様のことのようです。ちなみに「ちんぷんかんぷん」という日本語の語源も諸説あるようで、もともと「ちんぷんかん」だったのが、それに「ぷん」を重ねて語呂をよくしたものらしいです。ともあれ、mumbo jumboにしても、ちんぷんかんぷんにしても由来や語源があやふやで「ちんぷんかんぷん」なのは、さもありなんというところでしょう。It is mumbo jumbo to me. (私にはちんぷんかんぷんだ) He is speaking mumbo jumbo. (彼はわけのわからないことを話している) No mother, then. Ha ha. Such is my laughter now, my belly burst of mumbo jumbo. (City of Glass  Paul Auster)

plainは、「平坦」という意味ですが、たとえば、plain yogurt(プレーンヨーグルト)のように混ぜ物のない、純粋なといった意味でも使われます。さらに、plain stupidとかplain absurdとなると、副詞として機能します。Cambridgeにはcompletelyとだけ説明がありました。Collinsはもう少し詳しくYou can use plain before an adjective in order to emphasize it.とありました。つまり、形容詞の前に置いて、その形容詞を強調する働きをするというわけです。例文として、The food was just plain terrible.が挙げてありました。「それはまったくひどい食べ物だった」といった感じでしょうか。なぜplainがこのようにcompletelyの意味で使われるのか英国人のALTにたずねたところ、plainはsimpleというニュアンスがあって、なにも飾りっけがないということからcompletelyの意味で使われるようになったのでしょう、ということでした。plain yogurtのplain、「まったくのヨーグルトだけ」の「まったくの」が副詞の「まったく」になったというわけです。He writes that the notion of turning America away from petroleum is just plain absurd. (アメリカに石油から背を向けさせるという考えはまったくばかげている、と彼は書いている)(2011英検準1級問題より) さて、2050年までに温室効果ガス排出量をゼロにすると宣言しちゃいましたが、その前に、二酸化炭素排出大国アメリカ・中国にきちんと抗議できるような政府であってもらいたいものだと思うのですが……。