near 「~に近づく」という動詞の意味があります。The first train journey from Beijing to Tibet is nearing its destination. (北京からチベットへの初めての列車の旅が、目的地に近づいている) という記事がCNNにありました。ところで、near はもともと比較級だったそうです。語尾の-arは比較級の-erと同じだったとのこと。それがなぜか原級と誤認されたようです。したがって、nearの比較級nearerは二重比較ということになりますが、同じような現象はlesserに見ることができます。nearの比較級 (?) のnearerを使う場合は、前置詞toを伴います。どうしてなのか訊ねてみましたが、判然としません。ひょっとするとsuperior toとかprior toなどのtoと何か関連があるのかもしれません。なにしろ、比較級ですから。My house stands nearer to the station. (ぼくの家は駅から近いところにある) ところが、nearの場合は、nearでもnear toでもよさそうです。The store is located near (to) the station. (その店は駅近くにある) near the stationだと駅のそばといった感じでしょう。near to the stationだと、方向を含んでいる気がします。ですからくどく言えば「駅の方の近く」といった感じでしょうか。ところで、nextはnearの最上級だったそうです。最上級語尾-estの部分がxtになったようです。こちらは完全に副詞から形容詞に転じています。「もっとも近い」が「隣の」とか「次の」という形容詞に転じていったのでしょう。そこで、「~のすぐそばに」という場所をあらわす副詞として使う場合はtoを伴います。I sat next to my wife.(妻のすぐそばに座った)