leave nothing to be desired  「申し分ない」望まれるものが何も残されていないということから、申し分ない、といった意味になります。perfectとかexcellentとかimpeccableなんかで簡単にいえるわけですから、もってまわった言い方ということになるでしょう。あまり使われないというALTがほとんどでしたが、それだけに使ってみたくもなります。 His performance leaves nothing to be desired. (彼の演技は申し分なかった)(慶応)この成句がフォーマルな響きを持つのは、desireという語が使われているからかもしれません。desireはもともとフランス語から入ってきた語なのでフォーマルな響きがあるのでしょう。The food leaves nothing to be desired.(料理は申し分ない) 一方、leave much to be desired というと「遺憾な点が多い」といった意味になります。これもいささかよそいきの表現なのだそうです。Your English leaves much to be desired. (あなたの英語はまだ十分とはとても言えません)(中央)望ましい点までまだ多くのことが残されている、つまりまだ期待される(desired)点までまだ遠いというわけです。不定詞は形容詞用法でmuchを修飾していると考えればいいでしょう。The working conditions leave a lot to be desired.(労働条件は改善すべきところがある) このようにa lotなども使われます。産業革命の時代からworking conditionsの本質は変わってないような気がします。自分自身が自分にとって他人になるという「疎外」の概念を解いたのはマルクスですが、労働によって自分が作ったものが富裕層(マルクス流にいうならば資本家)に渡り、自分の手から離れていくというサイクルは以前にもまして巧妙になってきているように思えてならないのですが。