お腹が痛いは、I have a stomachache.あるいは I have pains [a pain] in my stomach.と言ったりします。 頭が痛いも I have a headache.あるいはI have a pain in my head.といった感じで、いずれもin+所有格+痛い場所のかたちがとれます。ところが怪我の場合は、He suffered severe injury to his arm(彼は腕に重傷を負った)のようにinではなくtoを伴います。どうしてなのか英英をひっぱってみましたが、いまひとつビンときません。Cambridgeも相変わらずそっけなく、Injuries to the spine are common among these workers.(背骨の怪我はこの仕事をする労働者にはありふれたものです)といった例文が載っていただけです。そこで、どうしてpainの場合はinを伴うのに、injuryの場合はtoがくるのかALTに訊ねたところ、怪我は突然起こるものだから、happen toのtoのニュアンスがあるのではないかということでした。なるほど面白いとそのときは思いましたが、後になって、かつてノロウイルスにかかったときのことを思い出し、腹痛だってそうじゃないか――特に下痢や嘔吐は突然起こるじゃないか、とくに下痢は有無を言わさず襲ってくるじゃないか、などと思い直してちょっと腑に落ちないなと小首を傾げたものでした。まあ、ともあれ怪我の場合はhappen toのtoの感じなのでしょう。 He had just an injury to his shoulder in the car accident. (彼は自動車事故で肩に怪我をしただけですんだ) He suffered an injury to his back at work.(彼は仕事中に背中を痛めた)